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2024年10月29日
日本金銭機械株式会社
(証券コード:6418)
日本金銭機械株式会社(代表取締役社長:上東 洋次郎、以下「当社」という)と、地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター(総長:松浦 成昭、以下「OICI」という)は、令和6年度「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」に採択※されたことを受け、肺がんの切除範囲の決定を支援するシステムの研究開発(以下「本共同研究」という)を開始します。
近年のがん医療の進化に伴い、多くのがんは早期段階であれば手術で完治する時代となりました。一方で肺がんは、胸部X線写真やCT画像などから早期に発見されても、画像検査や肉眼的観察で捉えにくい微小転移を既に伴っていることがあり、再発リスクが高いといわれています。
従来、肺がんの標準的な手術は肺葉切除(以下、「従来手術」という)が行われてきましたが、画像検査技術の発達によって早期に発見されることが増えたことから、部分切除や区域切除などの小規模切除(以下、「縮小手術」という)にて、肺機能を温存し手術後の患者の生活の質(以下、「QOL」という)を高めることが望ましいという考えが出てきました。
【従来手術】
肺葉切除*
【縮小手術】
小規模切除
・部分切除**
・区域切除**
*肺葉切除:肺がんがある肺葉のみを切除する、肺がんの標準的な手術法
**部分切除(区域切除):肺がんがある部分のみ(区域のみ)を切除する手術法
しかし、縮小手術では、画像検査や肉眼的観察では捉えにくい微小転移を取り残して再発を来すケースがあることから、画像上は縮小手術で足りると判断される傾向にある肺がんでも、縮小手術と従来手術のいずれが適切であるか、QOLの維持と根治性の維持のバランスを考慮した手術方法の選択が求められています。そのため現在、この患者ごとの“至適な”手術方法を決定するために、手術前や手術中に肺がんの悪性度を判断する方策が模索されています。
これまでOICIでは、肺がん術中捺印細胞診(以下、「本細胞診」という)にて、転移をもたらし得る肺がんの悪性度 “至適な”手術方法を模索する一助として、臨床活用していました。
本細胞診は、手術後のQOLの維持と根治性のバランスを考慮した術式選択に寄与することが期待されていますが、本細胞診は熟練を要するため、他施設での普及が進んでおらず、臨床的な評価ができていないという課題があります。
本共同研究では、本細胞診をAIで支援するシステムの研究開発に共同で取り組みます。
前述した課題の解決を図るため、OICIの豊富な経験や臨床データと、当社の世界各国の多種多様な紙幣を識鑑別する技術やノウハウの一つである、紙幣の汚れや破損具合を判定し、状態に左右されずにあらゆる特徴を検出する画像識別・AI技術を組み合わせることで、本細胞診の熟練に要する負担を軽減させる支援システムの研究開発を行います。
本システムを用いることで、将来、手術後の患者のQOLの維持と根治性のバランスを考慮した肺がんの切除範囲の決定の一助とするため、臨床的エビデンスの確立と技術普及を目指します。
【Go-Tech事業共同体メンバー】
【日本金銭機械株式会社について】
当社は、カジノ業界での貨幣処理機器のパイオニアとして世界シェアNo.1を誇り、世界に認められた識鑑別技術を用いて、世界中の様々な市場をターゲットに貨幣処理機器、金融関係機器、パチンコ/パチスロ市場向け機器およびソリューションの開発・製造・販売を行っております。
貨幣処理機器分野で培った「コアテクノロジーを革新させ、新たな価値を創造し続ける」企業となるため、医療領域を始めとする様々な領域での貢献に向けた新しい取り組みに挑戦しています。
【大阪国際がんセンター(OICI:Osaka International Cancer Institute)について】
OICIは、「患者の視点に立脚した高度ながん医療の提供と開発」を理念に掲げ、大阪で唯一のがん専門の医療機関として、これまで蓄積した経験を基に、現在考えられる最善の治療をお届けすること、新しい治療法を開発するための研究に力を入れること、そして患者様のQOLを維持し、苦痛や悩み事に対応し、元の生活にもどれるようにサポートすることを目指しています。
特に、難治性、希少がんを中心とした他の診療機関では診察の難しいがんに対し、高度専門医療を提供しており、がん入院患者数は全国3位(2022年DPCデータ)に位置づけられ、特定機能病院としての承認や、都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受けるなど、がん患者の多い大阪府にあって、がん対策の中核的な役割を担っています。
■IRに関するお問合せ先
日本金銭機械株式会社 経営企画本部 広報・IR担当
TEL :06-6643-8400
MAIL:ir@jcm-hq.co.jp